寿司作りのノウハウは5年間で学んだけれど、経営の仕方は全く分からなかったので大井さんに全面的にサポートしてもらった。


実際に現地まで見に行って、アーケードの空き店舗を借りた。


毎月の売上から家賃、光熱費、水道代等を支払うことにした。


寿司に必要な炊飯器、巻き寿司を切る機械、包丁、まな板等は購入した。


ファカタニには殆どマオリしかいないので、現地の人を雇ったら全てマオリだった。


それであたしはオーナー兼指導担当で、ネイトをスーパーバイザーとして置き従業員との意思疎通を図ってもらうことにした。


恥ずかしい話マオリの英語は早い為、5年経ってもよく聞き取れないのだ。


ここであたしとネイトの現在の関係を説明したいと思う。


あたしの根気に負けたのか、IELTSの勉強を見てもらったこともあって、ネイトとは去年から恋人同士になった。


まさか付き合ってもらえるとは思ってなかったので、心底嬉しかった。


23歳になったネイトは相変わらず背が小さくて可愛かった。


少年っぽさが抜けていなかった。