「でもどうするん?それじゃ日本に帰ってもまともな仕事には就けんやろ。・・・・・・そしたらここでずっと働けばいいわな」


そう言って大井さんは笑った。


「はい。日本にはもう帰れないので面倒見て下さい」


あたしは頭を下げた。


良かった、理解のある人が店長で。


「ワークビザ取れた途端にそない大きなタトゥー入れるなんて大胆過ぎるで、芽衣ちゃん。実際はワークビザでもここにずっとおれるわけやないんやから後先考えんと。

それにそれじゃあ里帰りしても温泉入れないやろ」


「そうですね。すいません」


大井さんはあたしのことを心配してくれているんだ。


「ま、頑張って働いてくれたらそれでいいで」


そう言ってあたしの肩をポンと叩いた。




帰りは香耶さんと一緒になった。


香耶さんはあたしの右側を歩いていて、タトゥーを興味深そうに見ている。