「何で謝るんだよ」


「あたしニュージーに残りたいと思ってる。1年では帰れない」


海風が2人の髪を揺らす。


「それって長いのか?それでも待ってるから」


嘘はつけない。この人に嘘はつけない。


「あたしニュージーで好きな人が出来たの」


「えっ・・・」


2人の間に何ともいえない緊張が走った。


「何なんだよそれ。誰なんだよそいつ」


周吾が苛立っているのが分かる。


「マオリの男の子」


「職業は?」


「季節労働だから定職には就いてない」


「ハァ~?お前バカか」