トボトボと歩く


いつもなら広夢が居たのになあ…


「あーーっもうっ!」


いつまでもウジウジ
こんなのあたしじゃない!


むしゃくしゃしたあたしは
道の小石を蹴っ飛ばした


小石はきれいな放物線を
描いて前の茶髪にジャストミートっ


「いって」


よっしゃーっ

じゃないっ


「ヤバッ!ごめんなさいっ大丈夫ですか?」


駆け寄って声をかけた


「いってー、大丈夫なわけねぇーだろがっ!」


茶髪がバッと顔を上げた


「本当すいませんっっ!怪我してないで…す、かって…げっ!」


よりにもよって面倒くさい奴に当てちまったんだ


あたしのバカ


「てめぇ、結菜ぢゃねーかっ!いい度胸だな、コラ」

茶髪がジリジリ近づく