「準備、できたん?」


「・・・う、うう」




でも。



「1週間も待ちぼうけやったねん、俺」



「そ、そう、だね」


「俺を待たせている間、なに考えとったんか教えてや」




膝の上で固まっている拳に、骨っぽい私より大きな手を重ねられて。


誰にも気づかれないようにそっと、頬から唇をなぞられて。


恥ずかしくて俯いて、落ちていた髪に表情を隠したいのに、それを喉の奥でくくっと笑って覗きこんでくる湊君に、誰が敵うっての。