「・・・っ!」
頬杖はしたまま、優しい、優しい瞳で、微笑んでいるから。
不意を突かれたせいで銃弾を撃ち込まれたような私の心臓はけたたましく鳴り響く。
「凪咲、」
さっきより幾分か落ち着いた声で「隣り、来てや」と命令されても、魔法にかかったみたいに、するりと身体が動く。
きし。小さな音をたてて、二人の体重を背負ったソファが沈む。
学校帰りということもあり、この場所は学生客でにぎわっていて、決して、こういうことに適する場所じゃ、ない。
頭の隅っこではちゃんとそう理解している。
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