「はぁ……。」

鏡の前で何回目かのため息をつく。


「ハル~…。」


─来るんだよね……

──あの後、『麻衣と帰るから一緒に帰れません』って谷口君にメールして速攻で学校から出た。


怒ってるかなぁ……


「ハル!ハルってば!」


「わっ! 何っ!?」
後ろから海斗が抱き着いてきた。


「さっきから呼んでるのに……何かあった?」


心配そうに海斗が顔を曇らせる。

「ごめん…気づかなかった…、大丈夫だよ?」


駄目だなぁ…集中しないとね。