楽屋の扉が勢いよく開いて大地が入ってきた。

「間に合った~!」

大地はどかっと椅子に座る。

「大地、家寄ってきたの?」

大地はもう私達と同じ服を着ていた。

「ん…、荷物になるし…。ちょうどバイトに行くとこだった兄貴に送ってもらった。」

春菜達には春菜の4歳上の兄、柊(しゅう)がいる。

この兄も双子達と同じ、かなりのイケメンだった。

「ハル~。今日ごめんな。慌てて…。」

「もういいよ…」

おかげであんな目にあったけど…。

あの後、教室に戻ってきた谷口弘人を見ないようにしたし…。月曜日には忘れてるでしょ…。