「理解…出来ない、です……」



胸を押しつぶされそうになりながら声を絞り出した。



そして、翔さんの手をそっと払いのけると、私は立ち上がる。



翔さんの顔は、どうしても見れなかった。



今、翔さんの顔を見るのは辛い。



あまりにも重い現実を受け止めきれずに、私の頭と心はオーバーヒートしてしまってい
た。




何で?どうして?




そんな言葉が頭をグルグルしている。



翔さんがわからない。




「そう、だよな……。悪い……」



哀しみを含んだ声に、私は耐えられず部屋を飛び出した。



翔さんの呼びとめる声も、追いかけて来る様子も無かった。