真莉奈がチラチラと翔さんを見ていることに。
あぁ、そういうことか……。
ここまで私は利用されるんだ……。
まだ終わっていなかった。
学校から逃げても、終わっていなかったんだ。
ギュッと片手でスカートの裾を握りしめる。
「私でよければいつでも相談に乗るわ」
気持ち悪くてめまいがする。
この場から逃げようと立ち上がって足を踏み出した瞬間、体が傾いた。
倒れる。自分でもそう思った時、翔さんの温かい腕に受け止められる。
目を開けると翔さんと視線がぶつかった。
“助けて”と思った瞬間、翔さんが視線を真里菜に向けた。