今思えばあの頃から
あたしは先生に惹かれていたのかもしれない。
「間もなく2番線に電車がまいります」
このアナウンスは
もう何百回も聞いた。
ベンチに座っていた人達も立ち始め
あたしの後ろには人が溢れている。
時々あつぃの背中に
女の人の腕が当たるのは気のせいなのか。
どこからともなく匂う香水の匂い。
人ごみを気にせず電話する声。
自動販売機の光るランプ。
全部全部…あたしからしたら
退屈な毎日の中の一つだった。
いつもいつも
頭の中にあるのは
後悔…だったの。
ねぇ…
もし、もしさ
あの時あたしが勇気を出していたら
貴方はあたしの傍にいてくれましたか?
それは何度心の中で尋ねても
帰ってくることのない質問。
昔あったことは
もうどうにもならない。