ガタンゴトンッ-
電車の走る音が鳴り響く。

ホームにはサラリーマンや学生がたくさんいる。

あたしもその一人。

また...同じ時間が始まる。



「もう!!大ちゃんったら」

隣りにいるカップルの甘ったるい声が聞こえる。

「はぁ」
朝から勘弁してくれ。

この一年カップルを見るたんびに溜め息んついてきた。


その溜め息の中には
きっと..憧れも混じっているのだろう。


あたしがなれなかった
大好きな人…高木先生の恋人。


もし、あの時
勇気を出していたら
今あたしの隣りには先生がいたのだろうか..


ヒューッ
春に向けた生暖かい風が吹く。