「難しいから」


「ははっ」


久しぶりに笑った感じがする


裕といるときは何も考えなくていいから楽なんだ


「沙菜、今度デートすっか」


「どこに?」


「ん~‥どこにするか?」


「ははっ決めてないの?」


「うん、予定は未定だ」


「はいはい」


裕は小さくガッツポーズをした


「行きたいとこ決めとけよ」


「人任せ?」


「違う違う、沙菜優先」


「言い換えただけじゃん」


「そうか?」


二人で笑った


どこにしよっかなぁ


久々に遠出したいなぁ


落ち着くとこがいいなぁ


「沙菜」


「ん?」


「好‥」


「す?」


「いや、酢の酒でも出すか」


「はい?」


裕は頭を掻きながら奥に入って行った