俺がバカだった


俺は沙菜の家に来た


振るえる手でインターホンを押す


でもなかなか出ない


家にいないのか?


「悟‥」


振り向くと沙菜が立っていた


思わず笑顔になる


「今帰りか?腹減ってんだろ。いつもんとこ行くか」


俺は沙菜の手を引いて歩き出した


冷たくなった沙菜の手


俺はギュッと握りしめた


沙菜は嫌がることなく俺についてくる


よく夜遅くまで二人でいたファミレス


中は暖かい


席に座ると沙菜は俯いた


「俺が奢ってやるから食え」


「悟‥」


「ほら。」


俺はメニューを沙菜に差し出した


でも沙菜はメニューを見ようとしない


「あ、いつものアレか?」


俺はボタンを押して店員を呼んだ


「ご注文はお決まりですか?」


「ドリア一つとロースかつ定食一つ、以上で」


「ドリア一つとロースかつ定食一つですね。かしこまりました」


店員が行くと沙菜はお冷を少し飲んだ