私は注文をせずに待っていた


しばらくすると愛理から電話がかかってきた


「もしもし?」


「ごめん沙菜、今日どうしても外せない用事できちゃって」


「そっか、いいよ。いつでも来れるし」


「ごめんねー」


電話を切り私は取り敢えずビールを頼んだ


「沙菜‥?」


声のする方を見ると悟が立っていた


私は目を逸らした


悟は隣に座ってきた 


私が立ち上がろうとすると悟が腕を掴む


「一緒に飲もう」


「…」


悟は無理やり座らせた


「元気だったか?」


「…」


「すみません、生」


「はい」


私はどうしていいかわからない


目が泳いでしまう


「沙菜‥俺、お前のことが好きだ」


「っ‥」


私は悟を見た


「ずっと忘れられない」


悟は私を真っ直ぐ見た