「お前が帰るって帰ってから愛理ちゃんも帰るって言いだしてお開き」


「マジ?何で?二人で遊べばいいのに」


「‥お前鈍感だな」


「はぁ?」


雅喜はカクテルを持ってテーブル席に運ぶ


俺は首を捻る


「ねぇマスター~おかわり~」


「飲み過ぎじゃない?」


「いいじゃ~ん」


「はいはい」


いつもの常連


そしていつもすぐに酔う


俺は酒をつくりながら昨日のことを思い出した


沙菜は琉生に恋してんだな‥


「ねぇマスター好きな人いるでしょ?」


「え?どうして?」


「さっきからため息ばっかだもん」


「ははっそう?」


「うん、私いつでも恋人になってあげる」


「ありがとう」


俺はごめんだ


ケバイ化粧して香水プンプンの女は苦手でね


沙菜に恋して6年経つのに


俺は何も変わってねぇな



「マスターお酒~」


「はいはい」