もしかしたら、孝雄は私が何考えてるのかわかってるのかもしれない


だから私を一人にしないのかもしれない


「俺も過去に自分を捨てようとしたことがある」


「‥え」


「でも俺には恐くてできなかったんだ」


「…」


やっぱ孝雄にはお見通しなんだ‥


「愛理ちゃん、自分を嫌いにならないであげて」


「っ‥」


「ね」


孝雄はニコッと笑った


私は目を逸らすことしか、今はできなかった


「愛理ちゃん、ケーキバイキング行こうか」


「…」


「俺奢るから」


孝雄は嬉しそうに私の背中を押す


「断っても連れてくけどね」


「…」


「バイキングなら取り合いしなくて済むし」


「フッ‥バカ」


なんだかんだで、ケーキバイキングに来た


「俺取ってくるから、帰っちゃダメだよ」


「帰らないよ」


「本当だね?」