「沙菜‥」


琉生が私を抱き上げる


「出直そう、な?」


私は両手で口を覆った


信じられない‥


何もかも‥


どうして?


どうして愛理入院してるの?


どうして琉生は知ってたの?


どうして教えてくれなかったの?


病室を出てベンチに座る


「沙菜‥どうしてここに?」


「っ‥裕がっ‥裕がっ‥」


琉生は私の背中を擦ってくれる


ゆっくりでいいよって言ってくれてるみたいに


「事故にあって‥」


「え‥?」


「今‥霊安室にっ‥うっ‥」


苦しい


息ができないくらい苦しい


そのとき


「いっ!!!」


激痛に襲われた


「沙菜!?」