「…え〜、いよいよ明日、3年生が卒業しますね。きちんとした態度で、見送って下さい…―」

おっさん先生の長い話しも、今日は飽きなかった。

それは、先生が面白いわけでもなく、
ただ、

明日、3年生が卒業するという、現実を
受け止めるため。


「―交流は、部活くらいだと思いますが、卒業生全員の志を感じて下さい…」


先生、違うよ。
あたしね、
机の上で話してたんだよ。

でも、いつからか、
話せなくなっちゃった。



もう、これからも
きっと、ずっと、
―話せない。




「今日も、予行練習があるので、しっかりとした態度で行うように。以上」


先生の話しが終わった途端に、チャイムの音色が廊下にこだました。