「何か手伝おっか?」

「慶樹くんは?」

「ぐっすり寝てるよ」



宇野くんの指差す方向を見ると、ソファに寝転がる慶樹くんがいた。


なんだ、寝ちゃったのか。


まだ幼稚園生だもんね。


お昼寝タイムか。



「ふとん、かけといてあげて」

「ふとん?」

「私の部屋にあるから」

「…入っていいの?」



え…あ!!



「や、ダメ!!私が行く!!」



大慌てでなべの火を消して2階に駆け上がる。


あ、あぶなかった…


ちゃんと考えてなかった…


別にね、部屋が汚いとかじゃないんだよ?


わりと綺麗好きだし、掃除はマメにするほうだから。


でも…だからって。



「杏ちゃーん、入っていい?」

「なっ!?ダ、ダメに決まってるでしょ!!」