「杏姉、映画見ていい!?」

「いいよ。私ご飯作ってるね」



家に着くと早速DVDをつけ始める慶樹くん。


そんなにおもしろいの?


ちなみに宇野くんはというと、ソファに座ってお菓子を食べていた。


…あれ?


そういえば宇野くんって…



「ねぇ…甘いもの、嫌いじゃなかったっけ?」



そう…そうだよ。


ミルクティーすら飲めないんじゃなかった!?



「え…そうだけど」

「ケーキ…食べれるの?」



さっき宇野くんが買ってきてくれたワンホールのショートケーキ。


今は冷蔵庫に入ってるけど…


宇野くん、食べれるの?



「俺はいらない」

「えっ、じ、じゃあなんで買ってきたの」

「え?だってクリスマスといえばケーキじゃん?」



どこでそんな定義が成り立ったのか、当たり前かのように腕を組む宇野くん。


いや、たしかにね?


ケーキがあってこそのクリスマスだけども。


自分が食べられないのにわざわざ買ってきてくれるなんて…