「杏ちゃんまだ?」
私が買い物をしていると、もう会計を済ませたらしい2人が待ちくたびれたような顔でやってきた。
うるさいな。
ちょっと待っててよ。
「慶樹くんお菓子買えた?」
「うん!あのね、春斗がね、欲しいの全部買ってくれたよ!」
「そっか、よかったね」
慶樹くんは嬉しそうにスーパーの袋を見せてくる。
2人、いつの間に仲良くなっちゃったのかな。
『春斗』だってさ。
私でさえ『杏姉』なのに。
…ちょっと妬いちゃう。
「じゃあ私会計してくるから」
「外で待ってるね!」
外は、さっきより少し肌寒くなっていた。
会計をすませて、2人の待つところに行く。