「クラスでクリスマス会やるのに、これ被れって全員に」
苦笑いしながらそう言う小林くんの手にも、宇野くんが被ってるのと同じサンタの帽子があった。
「クリスマス会?」
「そう。でも23日だから」
美保の心配を読み取ったのか、小林くんが美保の頭をポンポンしてる。
本当、紳士だなあ。
「杏ちゃん、俺とデートする!?」
「…っはあ!?」
突然の言葉に動揺を隠せない。
文化祭のときからなんでか宇野くんが気になって。
あのとき言われたことが忘れられなくて。
「いーじゃん。1人なんでしょ?」
「そ、そうだけど…」
1人だけど、でもだからってなんで宇野くんと…
しかもデ、デートってそんな…
「じゃ、決まり。行きたいとこ決めといてね」
なんて、ニッコリ笑ってるけど…