「本当は来週渡すつもりだったけど、もうバレちゃったしあげるって言われたの」
そう言って美保は大事そうにブレスレットを握りしめた。
なんだよかった、美保の早とちりで。
まさか小林くんに限って…とは思ってたけどさ。
「お騒がせしてごめんね!」
「本当だよ、全く」
「司にも言われちゃった。もっと俺を信用してほしいって」
幸せそうな顔しちゃって、もう。
でも2人が仲直りしてくれて、本当よかったな。
あのまま険悪な仲になってたら私が大変だもん。
「もう喧嘩しないでよね」
「えへへ。努力します」
「小林くん、お姉さんがいたんだ?」
「うん。すごく仲いいみたい」
そうだよね。
一緒に買い物とか行けてるわけだし。
私も美保も一人っ子だから、そういうの羨ましいなあ。
「ってことで杏ごめん!今日は司と一緒に帰るね!!」
ふう、全くしょうがないな。
今日のところは許してあげるよ。
美保、本当によかったね!