「ちょっと、何なのアレ!」
「杏〜どうしよう〜!!」
屋上についた途端、大粒の涙を流しながら抱きついてきた美保。
やっぱり強がってただけだったんだ。
美保は、普段気の強い分、あんまり人前で涙を見せない人だから。
小林くんの前ではあんなこと言ってたけど、本心じゃないって私はわかってたよ。
美保は、そんなこと思うような人じゃないから。
「落ち着いて。大丈夫だから」
「司怒ってたよ〜!!」
「怒ってないって!ほら、鼻ちーんして」
涙でぐしょぐしょになった顔をオープンにして、ずびずび鼻をすする美保。
そういえば、美保がこんなに泣いてるところを見るのは久しぶりかもしれない。
「落ち着いた?」
「ん…」
「何があったのか話せる?」
しばらくして落ち着いたあと、美保はゆっくりと話してくれた。