「おい。そろそろいい加減にしろよ」
そんな私を察してくれたのか、宇野くんが2人の前に立った。
「何?宇野は黙ってなさいよ」
「お前ら周りの迷惑も考えろよ」
宇野くんがそう言うと、2人は黙って俯いた。
…初めて宇野くんをすごいと思っちゃったよ。
「とにかく、話は別の場所でやれ」
「司と話すことなんて何もない」
「俺だってもう美保とは話したくない」
ちょ、なんでそうなるの!?
とりあえずここにいても何にもならないよね。
まさか、2人がこんなになるまで喧嘩するなんて思ってもみなかった。
「いつまでいんの?早く帰って」
「言われなくたって帰りますよ。さようなら」
なんだか険悪ムードのまま、小林くんと宇野くんは教室に帰っていった。
私は美保を連れて屋上に向かった。