「ちょ、何照れてんのよ」
「だっ、そりゃ照れるよ」
男の子にカワイイなんて言われたの、初めてだもん。
いくら好きとか嫌いとか、そんな感情がないからと言っても照れちゃう。
まして、相手が本気でそう言ってくれていたのだから。
「はあ…可愛いね、杏」
「なっ、美保に言われたくないよ」
「私と比べないでよ。こんな浮気されるような女…」
またそこに戻っちゃった!
美保、泣きそうな顔してる…
「ちょっと、泣かないでよ」
「泣いてないわよ!ただ汗が入っただけ」
そんなベタなことを言って、美保はまたケーキを食べ始めた。
このままじゃ、どう考えてもよくないよね。
そんな強がりな美保を見て、私はあることを決心した。