「ざまあみなさい」
「ハメたな」
「自分でハマったんでしょ」
美保は笑いながらクッションを抱きしめた。
宇野くんはというと、何やらずーんとテンションが落ちているようで。
「まあ、春斗も悪気があったわけじゃないんだし」
「司は宇野に甘いのよ」
仲介に入った小林くんのおかげで、なんとかおさまったみたい。
「文化祭終わったらもう行事ないね」
「来年の春の修学旅行までないよ」
私たちの学校は、修学旅行が3年生の春にある。
ちなみに行き先は沖縄。
楽しみだけど、クラス替えでもし美保と離れたらと思うと、気が気でない。
「で、杏ちゃんは結局綾部になんて返事したんだよ?」
「そこに戻るの?」
「当たり前だろ」
宇野くんがしつこく聞いてくるから、仕方なく教えてあげた。
そうしたら何故かガッツポーズしてる宇野くんと、感動してる美保と、クスクス笑ってる小林くん。
…本当に失礼な人。
まだ自分の気持ちに気づいていない、
高2 秋。