「別にピンク持ってたっていいじゃない!」
「似合う色にしろって言ってんだよ」
私は美保が持っているクッションをもう一度見た。
…やっぱり、間違いない。
「それ、私があげたやつ?」
「そう!宇野サイテー」
「え?」
宇野くんが美保に投げつけたクッションは、去年の美保の誕生日に私があげたモノだった。
美保がピンクで私が赤の、お揃いのクッション。
美保は気に入ってくれたみたいで、すっごく喜んでくれてたけど…
宇野くんの1言で、ずーんと重い気持ちになった。
「あ、杏ちゃんが選んだの?」
「そうだよ…カワイイと思って買ったのに…宇野くん、ひどい」
あれと同じモノが私の部屋にもあるんですけど。
色は確かに違うけどさ。
確かに美保には珍しいピンクを選んだのは事実。
でも、そんなに言わなくても…