「400mってほぼ息継ぎなしで、走りきる競技なんだ

だから結構つらいし、ゴールする前に倒れそうになることもある

でも…」


「でも?」


「オレは自分の限界に挑戦したかった

オレ持久力ないから、フルマラソンなんて走れない

でも、あやが滑る4分間を感じてみたかった



…なんかオレ、キモいな」

そう言ってゆうは笑った



「だからオレにとっての400mは、あやのスケートなんだ」



そう言うと、ゆうはグラウンドに向かって走っていった