「いてぇな!!キレんぞ、タコ!やんなら、疾太にしてやれょ!」



ほんで、お前は知ってたのか!!


言いたいことを言えぬまま俺はぐったりとし顔をあげる。



「そだ、疾太。お前なんでさっき、『釘村』って呼ばれてたんだ…?お前『橘』だろ?」


「あぁ、恭は知らなかったんか。俺野球部入ってんだけど監督吉村だべ?んで、うちのじーちゃんが吉村と同級生らしくてじーちゃんの旧姓で呼んじまうんだって。」


「ふぅん。」


「なんでそんなリアクション薄いんだょ!!」



長々と説明してやったのにと言わんばかりに、机に両腕を付き立ち上がる疾太。