女子がクスクスと笑いながら後ろから聞こえた声の主と吉村を交互に見ている。



「そぉだなぁ、楠田。お前のおかげで俺はまだまだこのクラスにいれるぞぉ!」



上機嫌になった吉村の高らかな笑い声と共に、クラス全体がお笑いモードに切り替わる。


さっきまでノートをとっていた奴も、


隠れて携帯使ったり、手紙書いてたりする奴も。


こんな時はクラス一体となって暖かなムードの中笑い声をあげる。


はっきり言ってノリのいいクラスなのだ。



ただ問題なのは、こういう状況の時、主犯の俺らは、どんなにおもしろくても笑えない。


笑えば、こんなおちゃらけたムードなんか簡単に吉村に壊されてしまうのだから。



「よし、俺は今日、とても気分がいーからお前ら席に着いてよぉし!!」



バシッと鈍い音がして、背中に広がる痛みが今日5つ目の最悪を物語っていた。