「才能のある奴ぁ、何の努力もせずにてっぺんに行けるもんだ。俺にはそんな大層なモンはねえ。だから努力するしかねえこた分かってる。でもな、努力が報われるとは限らねえんだ」
アキラのこんな顔、初めて見た。いつも強気であたしを振り回していたのに、こんな、まるで泣きそうな顔をして。
「でもきっと、それでも頑張らないと届かない場所なんだよ。アキラが目指しているそこって」
「そうだよな……」
アキラが目を伏せて苦笑する。
「でもね、あたしの前では弱くていいんだよ。あたしはきっと、その為にいるんだから」
あたしは強いアキラが好きだ。でも弱い彼を見て思ったのは、そんな彼もとても愛しいってこと。弱くてもいい。少なくともあたしの前だけでも、もう強がらなくていい。あたしはあたしのままでいいってアキラは言ってくれた。
だから――
「アキラはアキラのままでいいんだよ。あたしはもう弱いあんたを知ってるもん」
その瞬間、アキラがあたしをじっと見詰めた。その目に宿る彼の弱さは、きっとずっと逃げ場を求めていたのだろうと思う。彼がどうしてそんなに人に心を許さなかったのか、それはまだ分からないけれど、あたしはそんな彼を受け止めることができる。
「バカヤロ、泣かすなよ」
あたしはアキラの頭を優しく胸に抱き締めて、ただただ星空を見上げていた。
アキラのこんな顔、初めて見た。いつも強気であたしを振り回していたのに、こんな、まるで泣きそうな顔をして。
「でもきっと、それでも頑張らないと届かない場所なんだよ。アキラが目指しているそこって」
「そうだよな……」
アキラが目を伏せて苦笑する。
「でもね、あたしの前では弱くていいんだよ。あたしはきっと、その為にいるんだから」
あたしは強いアキラが好きだ。でも弱い彼を見て思ったのは、そんな彼もとても愛しいってこと。弱くてもいい。少なくともあたしの前だけでも、もう強がらなくていい。あたしはあたしのままでいいってアキラは言ってくれた。
だから――
「アキラはアキラのままでいいんだよ。あたしはもう弱いあんたを知ってるもん」
その瞬間、アキラがあたしをじっと見詰めた。その目に宿る彼の弱さは、きっとずっと逃げ場を求めていたのだろうと思う。彼がどうしてそんなに人に心を許さなかったのか、それはまだ分からないけれど、あたしはそんな彼を受け止めることができる。
「バカヤロ、泣かすなよ」
あたしはアキラの頭を優しく胸に抱き締めて、ただただ星空を見上げていた。