こうやって愛してもらう度に、あたしは実感する。アキラのことがどうしようもないほどに好きだということに。

 きっとアキラにとってあたしのそんな感情は邪魔にしかならないだろう。だから告げるつもりはないし、告げてはいけないと思っている。
 それでも、沸き起こるこの気持ちの昂ぶりが、おかしくなってしまいそうなほどにあたしの心を乱す。あたしは彼の邪魔をしたい訳じゃない。だから温泉旅行が終わったら、彼にもう会えないだろう。

 あたしはどこまでいってもフェイクの腐れプッシーなのだから。オリジナルである彼にはどうやっても見合わない。例えそんな関係になれたとても、いつか彼に見限られてしまうだろうと思う。

 余韻の抜けないあたしの身体は、あっさりと彼を受け入れられるほどに濡れた。
 唇を重ねながらひとつになる。彼とあたしの呼吸が同じリズムになった。お互いの大切な部分でつながりあって、何もかもが分からなくなるほどに昂ぶっていく。

 呆然としながら彼の顔を見た。荒い息を吐きながら、あたしを貪り食う彼は今、あたしだけを感じてくれている。
 フェイクもオリジナルもない。
 あたしだけを。
 あたしはただ、そんな彼の表情を心に刻んだ。