「あ、あんた……」
 高校を退学して久しぶりに会った友達のその姿を見て、あたしは言葉を失った。退学する前にはほとんど通っていなかったから直接は会ってなかったけど、ずっとメールで連絡は取り続けていた。

 にいちゃんのところでバイトを始めたこともあってなかなか会えなかった。それに彼女は学校に友達がいると思っていたから、こんなことになっているなんて考えてもなかった。

 彼女の部屋に入った瞬間、その彼女の姿を見てあたしは自分の目を疑った。左腕に無数にあるその痣は、間違いなく注射痕だった。

「い、いつからやってんの、こんなの……」
「どうでもいいじゃない、そんなことなんか……」
 彼女の目は強い澱みを含み、快楽に壊れそうになっていた。彼女の右手にはバイブレーターが握られていて、彼女はそれを股間に押し当てていた。半開きの口元からは涎がが流れていて、明確に男を求めているのが分かる。

「な、なにがあったのさ。あんた、こんなことする奴じゃなかったじゃん」
「そんなの知らない。だってキモチイイんだもん……」
 この子はこんなことをするような奴じゃない。いや、そんなことをするような友達は、学校にはいなかったはずだ。なのにどうしてこの子がドラッグに侵されているんだろう。意味が分からない。

 彼女はあたしをぼうっと見詰めながら、ついには自分のアソコに指先を挿入し始めた。そしてあたしを煽るように喘ぐ。

「ね、ねえ、いっしょにやらない……?」
「な、なに言ってんの……?」
「すっごくキモチイイよぅ、だからいっしょにしようよ……」
「ふ、ふざけろよ、馬鹿」
 見ていられなくなったあたしは、彼女の部屋を飛び出した。