こうなったらもう、本当にお腹痛かったことにしちゃおう。
そう決めて会場に戻ろうとした私の後ろで、

「お、コータじゃん!久しぶりだな!」
琢磨が誰かに声をかけた。


「琢磨!そっか、お前テツと同じ学科だもんな。」


そう言ってにこやかに笑うのは、さっきトイレに入っていった男の人。


コータ‥聞いたことあるような、ないような‥

「会うのいつ以来だっけ?」

「たぶんテツんちでやった飲み会以来。」

「もう1年近く前だな~!」

ぼんやりと二人の会話を聞いていると、肩をたたかれた。

振り返ったそこには。


「ちょっと!いつまでトイレしてんのよ!」


綺麗に描かれた眉をつりあげたみちるがいた。