電車に揺られ、終点にある大きい駅についた。
終点といっても、乗っていた時間は20分くらいだけど。
少し歩いてついた先は、最近雑誌で取り上げられていた、新鮮な野菜でヘルシーな料理を作っていると有名なレストラン。
女性好みの果実酒やカクテルも美味しい、と書かれていた。
「ここ‥!?」
この間は焼き鳥だったのに?
というか、航太くんのイメージと合わなさすぎて・・・
間違えて来ちゃったわけじゃないよね?
お店を二度見した後、今度は航太くんをガン見してしまった。
「・・・どんなとこがいいかわかんないから、知り合いに聞いたんだ」
いたずらがバレたこどもみたいに気まずそうにしながら、航太くんは言った。
でも自然食レストランって‥。
男の人、来るのかな?
店内、女の子だらけかも‥
そもそも、航太くん、こんな可愛らしいお店に入れるのかな‥
どうリアクションしていいか考えあぐね、航太くんを見ていると‥
そろりとこちらを見た航太くんと目が合った。
「ぷっ‥」
次の瞬間、私は吹き出してしまった。
だって‥
「航太くん、顔まっか‥」
「なんかカッコわりぃ‥」
航太くんはため息をつきながら、左手で顔を覆ったのだった。