「好きじゃなきゃデートもしないって‥
そんなんじゃ、いつまでたっても新しい恋できないよ!」

なんなら付き合ってみて、ダメなら別れたらいいじゃん!

なんて、私には考えられない発言をして、みちるは笑った。

「そんな滅茶苦茶な‥」

でも、みちるの言うこともわかる。

今まででも、友達に紹介されたりして、男の人とメールをしたことはあった。
でも、いざその人と二人で遊ぶとなると、踏み切れなくて。

自分の気持ちもわからないのに、二人きりで会うなんて、できないって。

結局うまくいくはずもなく。

徹平以外の人に目を向けられないまま、時間だけが過ぎてしまった‥。


「まずは何回かデートしなきゃ!
好きになるかどうかはそれからの話!」

なんか、みちるが恋愛の先生みたいに見えてきた‥

私が知り合ってからでも、みちるが付き合った人数は両手じゃおさまらない。

恋愛経験豊富なみちるの言葉は、ひどく説得力があった。

「わかった?」

「‥はい。」

素直に返事をしたら、みちるは笑って、さっきまでの先生口調ではなく、優しい声色で言った。

「徹平よりイイ男、いっぱいいるよ。」

そうだといいな。

私は心の底からそう願って、笑い返した。