「うーん‥たぶん‥?」

なんだか、改めて言われると気恥ずかしい。
箸を置き、ウーロン茶のグラスを手にとった。

「そっかぁ!デートしたんだぁ~!」

にやにや笑いながら肘でつつかれる。

「ちょっと、こぼれるからやめてよ!」

ウーロン茶を死守しながらみちるを睨む。

「で、どうだった?楽しかった?」

「‥うん、まぁ‥。」

「綾、人見知りで照れ屋だからね~!
ちゃんと会話できた?」

にやけ顔をそのままに、質問攻めにしてくる。
私はウーロン茶をやっと一口飲んで、
正直に航太くんに感じた気持ちを打ち明けることにした。



思っていたよりずっと優しくて、居心地が良かったこと。

会話が絶えなくて、こんな私でもずっと話ができたこと。

奢ってもらった上に、いつもみたいに家まで送ってくれたこと。



みちるは、私が照れながら話すのを、嬉しそうにきいてくれた。
さっきまでのにやけた調子じゃなくて、真剣に私の話をきいてくれているのが伝わってきて。

私にはそれがすごく嬉しかった。

時々キャーっと興奮して声を上げるのはちょっと恥ずかしかったけれど。