「そういえば、梅酒が色々置いてある、おいしい焼き鳥屋さん見つけたの。今度行こう!」

「いいねぇ!行く行く!どこにあるの?」

ソフトドリンク並の速さで梅酒を飲んでいる。
本当にこの一杯で止められるのか不安になってきた。

「S駅の近く。」

「綾の家のとこ?焼き鳥屋なんてあったっけ?」

「うちとは反対側なの。」

海鮮サラダをトングで取り分ける。

まずは野菜から食べる。そうすると太りにくいらしい。
この間、美容番組でやっているのを見た。

「よく見つけたねー!探検でもしてたの?」

みちるは来たばかりの唐揚げに手をつけている。

「探検って!」

こどもじゃないんだから。

「違うよ。
この間航太くんがね‥
「航太くん!?」

みちるの目がギラリと光った。


「‥何?」

「ううん、なんでもない。
航太くんがどしたの?」

「‥一緒に飲みに行こうって誘われたから、飲みに行った。」


小さな声でそう言って、そっとみちるを見る。
唐揚げを口に入れたまま、目が大きく見開かれた。

「ほへ、ほひかひへベーボ!?」

大きな唐揚げをそのまま食べているから、全く話せていない。
しかも口に入れたままって‥

「みちる、下品。」

ごめんとジェスチャーして、唐揚げを大急ぎで飲み込んだ。

「それって‥もしかしてデート!?」