航太くんはいつものようにマンションのエントランスまで送ってくれた。

「送ってくれてありがとう。
じゃあ、また。」

「おやすみ。」

にこりと笑って、エントランスを出ていく。

「‥おやすみ!」

背中に挨拶を返して、見送った。



この関係はなんなのかな‥。

航太くんといると楽しいし、自分らしくいられる。

でも、好き‥とはまた違う気がする。

徹平に感じていた、一緒にいるだけで体温が上がって、沸き立ってくるときめき。
それを航太くんには感じない。



航太くんに好意を示してもらえて、舞い上がってるだけなのかな‥。


好きなのかもって言われただけで、
別に付き合おうって言われたわけじゃないし‥。


そもそも、あれは告白だったのかすら謎かも。


不思議な関係。




ただ、航太くんといるのは居心地が良いということ。

そして、来週も航太くんとご飯に行けることが、少なからず嬉しく感じているのは確かだった。