運ばれてくるお料理もお酒も、とてもおいしい。

「今度みちると来よう!」

梅酒の種類も豊富だし、みちるが大喜びしそう。

「ホントに仲良いよな」

「まぁ、大学からの付き合いだからね。もう何年になるかなぁ‥」

考えてみれば、18の時から一緒にいるんだ。
改めて数えると、長いなぁ。


「テツたちともずっとつるんでんの?」

「うーん‥。
徹平と琢磨はね、2年生から。グループワークの講義でたまたま一緒になって。

出会った時から、琢磨とみちるはずっと喧嘩してるけどね。」

でもまぁあれは喧嘩というより、挨拶みたいなもの。

なんだかんだで仲は良いし、あの二人が付き合ったらいいのに、と思ったこともある。

二人に言ったら、全力で否定されそうだけど。


焼き鳥を串から外し、口に運ぶ。
これもおいしい。


「テツがよく楽しそうに中川さんたちのこと話してたよ。」

「えっ!?
ろくなこと言われてない気がする‥」

「そんなことないって。
すげー嬉しそうに話すから、俺、テツは中川さんか早坂さんのこと好きなんだと思ってたし。」


「ごほっ」

今食べたばかりのねぎまを吹き出しそうになって、慌てて梅酒を飲んだ。

「な‥なに言って‥」

「そんな驚かなくても」

笑いながら、おしぼりを渡してくれる。

「だって、いきなり変なこと言うから‥」

おしぼりで口元を拭い、また一口梅酒を飲んだ。


「‥中川さんは?

二人に特別な感情もったことないの?」

急に真剣な顔つきになって、航太くんが私を見る。

目を合わせるのが気まずくて、おしぼりをくるくると丸めては広げ、を繰り返す。

なんでそんなこと訊くかな‥。

やっと新しい恋を探そうかなと思え出したのに。

あんまり徹平のこと考えたくないのに。


「あはは、あり得ないよー!徹平も琢磨も、いい友達!
なんかさっきから変なことばっかり言うね!」


あははと笑い飛ばして、次の焼き鳥に手をつけた。