お風呂から上がると、携帯の受信ランプがついている。


「みちるかな?」


メールの差出人を見て、髪を拭く手が止まった。

『From 高瀬 航太

件名 土曜日

6時にS駅の改札で』


なんと簡潔な‥。


断る間もなく決まっていた約束。

「どうしよう‥。」

この間の告白の意味も未だにわからないし。

どんな顔して会えばいいのだろう。


だいたい、そんなに仲良くない人と二人で飲むって‥私が苦手とする状況だ。


「緊張するなぁー‥」


あれ、でもよく考えたら、二人でお茶したんだっけ。

合コン(飲み会?)の帰りも二人で帰ったし。


「そういえばどっちも平気だったな‥。」


気を遣うこともなく、自然に話せた気がする。

からかわれたり、意味がわからなかったりで、気を遣う間もなかったという考え方もできるけど。


「新しい恋かぁ‥」


航太くんと、というのは考えられないけど、一歩踏み出すのには良い機会かもしれない。


「・・・よし!」


思い切って行ってみよう!


一人気合いを入れて、航太くんに返信メールを打った。