「そう?
少なくとも航太くんは、綾のこと気に入ってるんじゃない?」

「俺もそんな気がする。」


みちると徹平が話すのが聞こえる。


「私も番号しってるけど、向こうから電話もメールもきたことないよ?」

「あいつ、ホント淡白だからなぁ。」

「てことはやっぱり‥」







「もう!しつこいってば!」


シンクに両手をついたら、予想以上に大きな音が出て、みんなの視線がこちらに向いたのがわかった。


「‥ごめん。」


みちるが謝る。


「‥ジュース買いに行ってくる。」




財布と携帯、コートを掴んで、玄関を出た。





あんなに洗ったのに、まだクリームがべたついて気持ち悪い。


羽織ったコートの端を握って、最寄りのコンビニへと歩き出した。