「ちょっと!どこ座ってんの!?」


階段に座り込んでしまったみちるを立ち上がらせ、私の肩に腕をのせる。

「だぁいじょぶだってば~!」

ふにゃりと笑いながらみちるが手を払った。


「大丈夫じゃないから言ってんの!こけたらどうすんの!」

「私の運動神経なめちゃだめよ~!
体育はいつも5だったもん♪」

思いの外、軽やかな足取りで階段を降りていく。

「こけても知らないからねーっ!」

みちるの背中にそう叫んで、後ろを見る。



「いやー、今日は楽しかったなぁ~♪」

琢磨はみちる以上にご機嫌だ。

航太くんの肩に右手を置いて、にやにや笑っている。


どいつもこいつも酔っ払って‥。


「また飲み会やろうぜ!今度は綾んちな!」

「なんで私の家!?」


そもそもコレは合コンだったはず・・・

「いつの間に飲み会になったのよ‥」


「でもホントに楽しかったな。また飲もう。」


爽やかすぎる笑顔で言う航太くんに、まぁいっか、と思えてきた。


琢磨たちの後ろから、洋平くんと真希も出てきた。


「俺ら方向一緒だから、駅まで送ってくわ。」

「なに!?いつの間に仲良くなってんの?」

やらしーな~、と洋平くんを冷やかす琢磨。


「お前は飲みすぎ。」

あっさりとかわされ、

「悪いけど、琢磨頼むな」

申し訳なさそうに私と航太くんをみて、洋平くんは言った。

「みちるもね‥。」

呆れ顔の真希に、

「慣れてるから大丈夫!」

ため息をつきながら笑うと、真希も笑った。