優しそうな男の人は、洋平くん、という名前だった。
私から一番離れた席だから、自己紹介の時に名字までは聞き取れなかった。
なにせ、琢磨の顔を見た時点で、私のモチベーションは一気に下降していた。
そのため、最初から飲み食いに集中していて、自己紹介をあまり聞いていなかった、というのが正しいかもしれない。
その分、真向かいに座る航太くんとは色々話した。
結婚式のときに予想した通り、航太くんは徹平と同じ野球部だった。
徹平をテツ、と呼ぶのは野球部の人くらいだったから、間違いないと思ったんだよね。
洋平くんも野球部らしく、結婚式にも出席してたとか‥。
結局全員が超内輪なのだとわかり、ますますただの飲み会にしか思えなくなってきた。