改めて航太くんを眺める。


背は175ある琢磨より高いから、180近いのだろう。

黒い短い髪をきれいにセットして、前髪は斜めに流している。

笑うと、少し垂れ気味の目の下に皺が入る。


大きな犬みたい‥。


「何見つめあっちゃってんのー?」


突然視界に琢磨の茶色い髪が突入してきて、目を見開いた。

「見つめあってたわけじゃ‥」


いや、見つめてたかも。


「はやく行こ!お色直し終わって戻ってきちゃう!」


みちるに腕をひかれ、慌てて後を追いかける。


「俺らも戻ろーぜ」

琢磨と航太くんもついてきた。


ちら、と後ろを振り返り、もう一度航太くんを見た。


でもやっぱり、彼に見覚えはなかった。