「あれ、コータくん?」

琢磨の後ろにいる存在に気付き、みちるが声をかけた。


「え、みちる知り合い?」


驚いてたずねると、

「やだ、綾覚えてないの?徹平んちで一緒に家呑みしたじゃない。」


「えっ?」


・・・覚えてない。

全く。


「まー、綾は人覚えんの超苦手だからな。」

琢磨があきれ顔で言う。


そっか。会ったことあったんだ。

道理で聞き覚えある名前だと思った。


だからさっきあんな馴れ馴れしく話しかけてきたのね。


急に声をかけられた理由がわかり、ひとり納得していると。

「高瀬 航太。今度は覚えて。」


航太くんがにかっと笑った。