〖ガラスの愛〗

「三咲、ちょっといいか?」

峰原さんが私の顔を
覗き込みそう言った。


「え、あっはい」

私は慌てて返事をした。

「じゃあ御神さんちょっと
倖の面倒見てて下さい」

「おっけーですっ!」

そのお言葉に甘えて
私は峰原さんと席を外した。


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「何でしょうか・・・?」

病院の中庭に私達は移動し、
木陰のベンチに腰掛けていた。

「いや、あの・・・」

「・・・・?」

峰原さんが言葉を濁らせる。


「僕とお付き合いして頂けませんかっ!」


「・・・・・」

私の頭は又もや真っ白に。

「え・・・?」

「僕と真剣にお付き合い
願いたいのですっ」


真剣な眼差しに私は
吸い込まれそうな気分。

「え、あの・・・何て・・・言うか・・・」

私は俯いて黙り込む。

峰原さんは頼りになる。

相談だって峰原さんに
いつも乗ってもらっていた。

だけど・・・


異性としては見ていなかった・・・。

私、如何したらいいの・・・?


「返事はまだいいから」
「また今度、聞かせて」

そう言って峰原さんは去って行った。

私はその後姿を呆然と見つめていた。