「翔くん?!いつから私の前に居たの?!」
声がした方を向くと、カウンターに頬杖をつく翔くんがいた
「比奈が、その本を熟読してる時」
「声かけてよ…」
ん?
なんか、翔くんの様子が変
「…翔くん?どうしたの?なんか難しい顔してるよ?」
「…そんな本を読んでるから、誰かにあげるのかと思った」
そんな本とは、このお菓子の本?
表紙を見てビックリ
『本命の彼へのバレンタイン』
私、こんなの見てたんだ
「あげる相手なんて…いないもん。美味しそうだから見てたの」
「ふーん…」
そう言いながら、お菓子の本を私の手から抜き取った